慢性腎臓病では蛋白制限が必要
腎臓の皮質には、毛細血管が糸玉のように球状に集まった糸球体が存在しています。
糸球体は血液を濾過し,血球やタンパク質以外の成分は尿にして排出する働きをします。
食事蛋白は老廃物の一種である窒素代謝物を作りますが、腎機能が正常であれば、それを処理するのに十分な濾過量があります。
しかし、糸球体の濾過能力が低下してくると、窒素代謝物の処理が滞るため、様々な障害につながります。
そこで、糸球体の負担を軽減するために行われるのが、食事における蛋白質の摂取制限です。
蛋白質の摂取制限の必要がある人の1日の蛋白質摂取量としては、体重1kg当たり0.6から0.7gまでの間が推奨されています。
体重が60kgの人の場合、1日に約40g以下に蛋白質の摂取が制限されますから、1食分では10g程度が蛋白質摂取の目安となります。
普通の人の場合、日に80g程度の蛋白質を摂取しているので、これを半分程度に抑えることになります。
蛋白質を制限する場合はカロリーとカリウムの対策も重要
蛋白質の摂取制限をすると同時に以下の栄養素の摂取対応も必要です。
・カロリー不足を防ぐ
蛋白質の摂取制限を行うと、通常、カロリー摂取量も減ってしまうため、カロリー不足が原因の栄養不足を引き起こさないよう注意します。
・カリウムの摂取制限も行う
腎機能が低下するとカリウムの排泄量も減少し、高カリウム血症になりやすいため、蛋白質と同様に、カリウムの摂取制限も必要となります。
通常、1日のカリウム摂取量を1500mg以下に制限しますので、1食当たりでは500mg以下に抑えます。
たんぱく質調整食の宅配サービスについて
たんぱく質調整食は、腎臓に疾患がある人の食事となります。
腎臓の疾患には様々な原因や症状があるので、たんぱく質調整食は医師の指導の元に摂ることが必要となります。
たんぱく質調整食は、塩分やカロリーをコントロールした食事に比べると若干価格が高めになりますが、それほど大きな違いはないようです。
たんぱく質調整食の宅配を提供しているサービスはそれほど多くはありませんが、病院での臨床検査を行った宅配食もありますので、詳しくはリンク先のサービス紹介ページをご覧ください。
たんぱく制限(10g)気配り宅配食
たんぱく質:10g以下、カリウム:500mg以下、塩分:2.0g以下カロリー:300kcal以上【ウェルネスダイニング】 たんぱく質のほか、塩分・カリウムにも配慮し、管理栄養士によって栄養価を細かくコントロールされた食事です。 |
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タンパク質調整食コース
【健康三彩】
食事はなにより「おいしい」ことが大切です。タンパク質調整食コースは、なにより「おいしさ」にこだわりました。タンパク質調整食はお医者様から、たんぱく質量や、塩分等の制限を指示されている方のためのお食事です。. ※医師と相談の上でご利用下さい。 |
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たんぱく質を控えたい方向け
【ニチレイフーズ】
医師からたんぱく質と塩分を制限するように指示を受けた人におすすめのメニューです。たんぱく質1日30~40gを目標とし、一食あたりのたんぱく質約10g、塩分約1.8gに抑えています。 |