高尿酸血症・痛風について
血液1dL(100mL)の中に尿酸が何mg含まれているかを表したものが、「尿酸値」です。
血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。
高尿酸血症の状態が長く続くと、尿酸が結晶になって関節に沈着し、急性関節炎(痛風)を引き起こすといわれています。
高尿酸血症になってすぐに痛風の発作を発症する人と、長い期間高尿酸血症の状態が続いたまま発作が起こらない人もいます。
この発作発症の有無については体質によるものとされていますが、痛風の発作が起こらないからといって安心するのは危険です。
高尿酸血症は動脈硬化につながる可能性が高く、心筋梗塞など循環器の疾患を引き起こす可能性が高くなります。
したがって、高尿酸血症と診断された時点で、医師の指導によって食事療法による改善を始めるのがベストになります。
以後、月1回程度の通院で尿酸値の推移を観察していくことになります。
食事療法による改善が基本ですが、必要であれば投薬による治療も併用します。
尿酸値がかなり高い(8mg/dl台後半)人の場合、それなりに強い意思がなければ、食事療法だけでの改善は難しいと思われます。
また、正常値に戻るまでに時間がかかり、危険な状態が長く続くことが好ましくないため、投薬を併用する場合も多いようです。
高尿酸血症・痛風の食事
高尿酸血症・痛風の食事については次のような注意が必要です。
1.水分を十分にとる。
尿酸は尿によって体外に排泄されるので、水分を十分に摂って尿の量を増やし、できるだけ排出量を増やすようにします。
2.野菜を十分にとる。
尿酸はアルカリ性に溶ける性質があるので、野菜、いも類、海藻類などのアルカリ性食品を十分に摂り、尿をアルカリ性に保つといい結果につながります。
3.アルコールを控える。
アルコール飲料は、アルコールの代謝のために尿酸値を上昇させるのでなるべく控えます。
「ビールはプリン体を多く含むので、プリン体が少ないウイスキーを飲む」という人が見受けられますが、アルコール自体が尿酸値を上げる作用があるということを知っておく必要があります。
4.プリン体を多く含む食品を控える。
肉や魚の内臓類に多く含まれるプリン体は、体内で尿酸に変化するので摂取を控えるようにします。
ただ、近年、実際に尿酸値を上げるプリン体のほとんどは体内の細胞が作り出すものであり、食品に含まれるプリン体の影響はあまり大きくはないということが分かってきました。
したがって、プリン体を多く含む食品に神経質にこだわるよりは、むしろカロリー制限をした方が効果的であるといわれるようになっています。