食物アレルギーとその原因物質
食物アレルギーとは、食物を摂取した時に免疫機序(アレルギー)を介してアレルギー症状が出ることをいいます。
症状としては、じんましん、せき込み、呼吸困難、低血圧など様々なものがあり、命に関わる場合もあります。
アレルギー体質の人の場合、特定のタンパク質にIgE抗体を作りやすいという傾向があり、摂取した食物とIgE抗体が作用して症状が起こるとされています。
※IgE抗体とは、5種類の抗体のひとつで、アレルギー反応に関係するとされる抗体です。
多くの場合、食物を摂取した直後から2時間程度で症状が起こり、これを即時型反応といいます。
また、やや遅れて数時間たってから症状が出ることもあります。
<食物アレルギーの原因物質>
食物アレルギーの原因になる物質を「アレルゲン」といいます。
食物アレルギーを引き起こすアレルゲン食品としては、卵、牛乳、小麦の割合が多く、この3品でアレルゲンの6割を占めています。
その他、さばやいかなどの魚介類、バナナやキウイなどのフルーツ、大豆、ピーナッツ、そばなどもアレルゲンとして知られています。
アレルギー物質表示について
近年、乳幼児から成人まで、特定の食物が原因でアレルギー症状を起こす人が増えており、中には命に関わるほどの重篤な症状が出てしまう人もいます。
そのため、食品中のアレルゲンに関する正確な情報の提供が必要となり、平成14年4月より加工食品のアレルギー表示制度がスタートしました。
この表示によって、.食べても大丈夫な加工食品を選ぶ「ことが可能になり、重篤なアレルギー症状が起きるのを回避することができます。
<表示するアレルギー物質>
現在、表示されているアレルギー物質には、必ず表示されるもの7品目と表示が勧められているもの18品目があります。
必ず表示される7品目には、卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生が指定されています。
これらは、患者の人数が多いもの、重篤な症状が出るケースが多いもので構成されています。
表示が勧められているものとしては、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、バナナの18品目になります。